北朝鮮について書いてみようか

本来なら、というか本当は25日に書いたゆるーい記事で今回の件(北朝鮮の核実験)は終わりにしてあとは状況を見守るだけに留めようかと思ったのだけど、ブックマークコメントでは言い切れない部分もあるのでちゃんとした形で書こうかなと。まぁ100文字で書き逃げが無責任という面は否めないし。

はてなブックマーク - 「核実験の日、ピョンヤンにて」―朝鮮はなぜ核実験をしたのか - 訳者あとがきβ版(やくしゃ あとがき べーたばん)

この中で自分は

核武装してアメリカとチキンレースするしか北朝鮮には選択肢はないし、その元凶は日本にあるってこと?そんなバナナ。いつも皆様が仰る対話はどこへ?むしろ現状オバマ政権なら核廃棄のほうが有効なカードじゃない?

というコメントを書いた。

100字という制限があったので取捨選択しながらにはなってしまったが、ある程度言いたいことは詰まっているんじゃないかと思う。

そしてそのコメントにid:islecape氏から反論をもらった。

オバマ政権なら核廃棄のほうが有効」というのはまったくその通りだとは思います。確かに北朝鮮の今回の核実験は、どうしてもうまいやり方には思えません。でも、繰り返しになりますが、それが北朝鮮の崖っぷちぶりってことじゃないでしょうか。瀬戸際外交ってやつ。さすがにそろそろ通用しなくなるのではないかと思いますが、そこが危ういところでもあります(矛を収めるより、より過激な手段に出るという可能性も)。

「核が合理的」という言い方が悪いなら、北朝鮮の体制にとってもう「すがるものは核しかない」ということでどうでしょう。一発逆転の切り札(のつもり)なのだと。なにしろあの総書記は、父親の前で「朝鮮のない地球なんか要らない。もし共和国が負けるとすれば、それは地球が壊れ、人類が滅びるときだ」*3とか言って、その意気を買われて?後継に任命されたとかいう話です。破滅の日にはミサイルを撃ちまくるかもしれません。リビアが賢明だったからといって、北朝鮮も同じことができると考えるのは、あまりにも日本人すぎる素朴な感覚ではないかと思います。

それに対し更に自分は

自分への反論の中で/北朝鮮の体制にとってもう「すがるものは核しかない」ということでどうでしょう。/って金正日独裁体制擁護にとれるんだが。体制維持のための核実験なんて余計言語道断では?

と。

さらにそれに

「あの体制にとってすがるものは核しかない」これは北朝鮮指導部の(混乱した)心情を想像して書いただけですが、援護に見えるでしょうか?

核実験を是認出来ない、という感覚は共有されていると思うのだが、些か北朝鮮を(北朝鮮のインテリジェンス能力を)islecape氏は甘く見過ぎ、というか過小評価し過ぎではないかと思う。
北朝鮮はすがるものは核しかない、ではなく、切り得る最大のカードが核、という認識だと思う。なぜなら、もしすがるものが〜と考えているならばミサイル→核なんて手順は踏む必要がない。ただ単に核実験を単独で行えばいいし、ミサイルへの国際社会の対応なんて見る必要性ががないからである。
北朝鮮の狙いはなんといってもアメリカの北朝鮮への優先度を上げさせることだ。だがミサイルというカードはアメリカを直接交渉の場に引きずり出す程の効果はなかった。もちろん圧力一辺倒の日韓が仲介をしてアメリカを先導するなんてのは期待出来なかったし。
そこで切ったのが核カードである、と自分は見る。
であるからして残念ながら北朝鮮の指導部は混乱していない。むしろ瀬戸際外交の進捗を団結して進めている、と見るのが妥当な線である。
だから自分は北朝鮮を非難するのだ。本当に混乱して打つ手がないと思ってやった核実験ではない。確信犯的に他のカードをどぶに捨て、瀬戸際へと身を晒したのだ。
平和的な道を捨て去った北朝鮮の行動は、だから是認出来ないし、仕方ない、とも思えない。それが自分の意見だ。