談話解説

苦し紛れ、とでも言うべきであろうか。談話には党内の調整に苦慮し先延ばしをせざるを得なかった首相の苦しみが透けて見える。
まず、首相は先延ばしの理由を「慎重にも慎重を重ね」と表現したが、今現在の局面において必要とされているのは慎重さでなくスピードである。少し手をこまねいていると偏差値の急落に繋がるという現在の状況認識が不足していると言わざるを得ない。
また、首相自身が未曾有といった表現を使うのも頂けない。
危機の鎮静化を図らねばならない場面で危機を増幅させるような言葉が出れば混乱はより深まってしまう。落ち着いた言動と姿勢がより一層求められるのはまだこれからだ。